由無事

近藤麻理恵『人生がときめく片づけの魔法』にみる宗教的行為としての「片づけ」

サンマーク出版の本を何冊か読んでたら、『人生がときめく片づけの魔法』についてむかし書いた文章思い出したので載せてみる。こんまりさんの本の下手なまとめみたいなものだけど。現代社会と宗教のレポート課題。 *** ロランバルトが日本に滞在しとある…

資本主義、民主主義の抱える問題とこれからの社会システムについて

2016年12月12日 一部内容重複 *** 2000年代に入ってからというもの、かつてのような「一億総中流」意識は遠い過去のものとなり、特にリーマンショック以降は格差の問題は国内外問わず前景化し、様々な地域で同時多発的に極右勢力が台頭するなど政治状況も極…

シンギュラリティと人間

2016年12月26日 *** 人工知能が人間の能力を超えてしまうという問題は、昨今盛んに議論されているが、現在の時点ではそれが人間生活にどの程度の影響を及ぼすのかについての予想は論者によって様々であり、それが人類にとって脅威となるものなのか、それ…

あなたが"self-efficacy"を感じるとき

2016年7月17日 *** 「ある状況において必要な行動をうまく遂行できるという個人的な確信」をself-efficacy(自己効力感)と呼ぶのであれば、非常に精神的なもので気持ちの持ちよう次第でいつでも、どんな人でも持ちうるものであるかのように聞こえるが、個人的…

ローカライゼーションはグローバライゼーションの原点か

2016年11月28日 *** グローバライゼーションが進んだ現代社会のなかにあって、仮に英語が話せて海外で仕事ができるようになったとしても、そこに自分の拠り所とするものがないのであれば、それはただ世界の潮流に自己を埋没させては世界中をせわしなく移…

建築的事象にみるメタファと身体知

2016年8月4日 *** レイコフ・ジョンソンによれば、メタファーの本質は、「ある事柄を別の事柄を通して理解し、経験することである(注1」という。「われわれが普段、ものを考えたり行動したりする際に基づいている概念体系の本質は、根本的にメタファーに…

二度の金融危機の先に見えるものとは?

2016/11/14 *** 経済危機というと、なにか自然災害のような不可避的な現象のようにも聞こえるが、実際には地震や津波等と違ってほとんどの部分が実際の人間の経済活動によって引き起こされた事象であるといえ、それは現代社会のある種の矛盾と行き詰まりを示…

江戸方式を取り入れることによって改善しうる現代の生活様式

「結婚式」文化再考 2016年10月31日 *** 現在、日本において一般的に認識されている「結婚式」という行事は挙式と披露宴という二つの部分によって構成されているが、私たちが当たり前と思っているこのようなかたちでの結婚式は、神前結婚式であれキリスト教…

以心伝心

2016/5/9 *** 茶道の場でのコミュニケーションのあり方をみていると、現代社会で求められるそれのあり様とはまた異なる、別種のコミュニケーションが交わされているように思われる。 現代日本は西欧文化の影響を色濃く受け、生活のあり方もコミュニケーショ…

Why is philosophy important in 21 century?

今年度、ミニレポート等々で文章を書く機会が多かったので少しずつまとめたい。 2016/4/25 *** 自然科学はその始まりにおいて、キリスト教的な一神教的世界観と強い関係を持ち、ニュートンにしてもガリレオにしても、物理的な因果性を問題としつつも、そ…

「キリシタン神話の変容過程について」(早天祈祷会原稿)

今日は河合隼雄の「キリシタン神話の変容過程」というエッセイについて。キリスト教は16世紀に日本に渡ってきて、日本人はそれを取り入れて、日本人也に受け止めていくのですが、すごい弾圧にあったために250年間のあいだ西洋人の宣教師なしでそれを持ち…

「作家性と批評性について」(早天祈祷会原稿)

今日は自分が建築を設計するうえで考えることの多かった作家性と批評性についての話をしたい。絵画でも音楽でも文学でも映画でも作家つまり創造する人の他に、多くの場合において批評する人が専門家として存在する。現代だとネット上で作品について「批評」…

「思想における極端さについて」

正論や一般論、もしくはある一面における真理のことばかり説くことは確かに暴力的であるが、あらゆることに対して異なる立場ばかり示すことも同じように暴力的で単なる権威への反発か既存の思想の裏返しでしかない。あらゆることには二面性があって、一方だ…