デビッド・J・バーンズ『いやな気分よさようなら 新しい認知療法の紹介』
第三章 自分の感情を理解する
人間の認知の歪み
1.全か無か思考:白黒のみで考える
2.一般化のしすぎ:一つのよくないできごとを世の中すべてと考える
3.心のフィルター:一つのよくないことにこだわって、そればかり考える
4.マイナス化思考:いい出来事を無視
5.結論の飛躍:根拠もないのに悲観的な結論をだす
6.拡大解釈(破滅化)と過小評価:自分の失敗を過大に考え、長所を過小評価する
7.感情的決めつけ:自分の憂鬱な感情は現実をリアルに反映していると考える
8.すべき思考:何かをやろうとするときに「~すべき」と考える。
9.レッテル張り:自分にレッテルをはってしまう
10.個人化:すべて自分のせいにする
第四章 自己評価を確立することから始めよう
a 胸の内に自己批判的な考えが浮かぶとき、それをはっきり見て記録するように訓練する
b このような考えが、なぜ歪んでいるかを学ぶこと
c もっと合理的な自己評価システムができるように、このような声に実際に反発すること
・トリプルカラム法
自動思考ーーー認知の歪みーーー合理的な反応
三つを書き留めることで、認知の歪みに対して客観的になる
第五章 虚無主義:いかに克服するか
作家、哲学者らが考えた自己を追いつめるような人間の公式
1 基本的になまけ者ということです、これはまさに人間の本質なのです。
2 あなたは自分を傷つけたり苦しめたいのです。落ち込む気分が好ましいか、「死への願望」があるのです。
3 あなたは消極的な攻撃性を持ち、何もしないことにより周囲の人をいらいらさせたいと思っているのです。
4 あなたは、虚無主義から何らかの報酬を得るに違いありません。たとえば、落ち込んだ時皆の関心を一手に集めてしまうなどのように。
これらは、どれも正しくない。 p.82
・日常生活スケジュール
その日にやることを一時間おきに決め、その日の終わりに振りかえる。義務的な活動にはM(mastery)、余暇的な活動にはP(pleasure)
第七章
挫折感は期待が実現しないことにより起こります。あなたを失望させた出来事は「現実」のなかの出来事ですから、それは「現実的」と受けとめるべきです。とすると、あなたの挫折感はいつも非現実的な予想から起こるということになります。もちろん現実を期待に一歩でも近づけようと努力するのは自由ですが、それは実用的ではありません。特にその期待が他のどんな人間の考えともかけ離れた理想を表している場合には。たとえば、人を挫折に導く非現実的な予想のなかには以下にあげる要素を含んだものがあります。
a 自分が望むものは必ずそれを受ける価値がある。
b 一生懸命やれば、必ず成功するものだ。
など
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