2015-02-13から1日間の記事一覧

河合俊雄『村上春樹の「物語」 夢テキストとして読み解く』

村上春樹の「物語」―夢テキストとして読み解く 河合 俊雄 新潮社 ・はじめにー物語と心理学 村上春樹の作品を心理学的に「解釈」しようとすると多くの問題が起こってきて、それはほとんど不可能なことに思えてくる。それはまず、村上春樹の作品において、「…

村上春樹「魂のいちばん深いところ 河合隼雄先生の思い出」

考える人 2013年 08月号 [雑誌] 新潮社 (2013-07-04) 初対面の印象は「ずいぶん無口で暗い感じの人だな」というものでした。目が据わっているというか、なんとなくどろんとしているんです。奥が見えない。これは、言い方はちょっと悪いかもしれませんが、尋…

森田真生「風景が育む情緒と学問」

近代西洋数学の始祖であるデカルトは、彼自身が整備した当時最先端の数学に、理性を正しく導くための「方法」の規範を見いだしました。とりわけ彼が重視したのが、記号を媒介にした代数的「計算」です。 一方、岡潔にとっては「計算」よりも遥かに重要な「方…