2013-08-30から1日間の記事一覧

岸田秀対談集 日本人はどこへゆく

日本人はどこへゆく―岸田秀対談集 岸田 秀 青土社 2005-07 この国では自分の立場は常に相手との関係性において措定される。役割を演じる、その場その場を滞りなく円滑に進めていく、ということが何よりも大切であって、一貫した自我なんてなくたっていい。な…

外山滋比古 思考の整理学

思考の整理学 (ちくま文庫) 外山 滋比古 筑摩書房 1986-04-24 ・ただせっせと本を読んでいると、大変な勉強家でありながら全く仕事をなさない人間になりかねない。とにかく書いてみる(やってみる)ということが必要だ。 ・情報を集めるだけでなく、情報を捨て…

内田樹 街場の文体論

街場の文体論 内田樹 ミシマ社 2012-07-14 「コンテンツは伝わるとは限らない。必ず伝わるのはメタ・メッセージだけ。」 コンテンツの上位にある解釈の余地のない意図だけが人に伝わる。ひとりよがりの文章はその自己満足ぶりが伝わるし、読者を見下した文章…

C.G.ユング タイプ論

タイプ論 C.G. ユング みすず書房 1987-05 *** 内向型・外向型の2タイプ、思考型・感情型・感覚型・直感型の4タイプ、それをかけた計8タイプで分類しそれぞれのタイプごとに解説されている。思考型と感情型、感覚型と直感型は相反するタイプであり思考タ…

M.L.フォンフランツ 永遠の少年

永遠の少年―『星の王子さま』の深層 M.L.フォン・フランツ 紀伊國屋書店 1982-01 永遠の少年は問題はどの芸術家にも存在した問題。それを作品の中だけでなく自分の問題として昇華してゆくことができれば作品もより順次高次な段階へと変化してゆく。いろいろ…

八幡洋 星の王子様の心理学

「星の王子さま」の心理学―永遠の少年か、中心気質者か 矢幡 洋 大和書房 2000-04 ナルチシストたちは自分が周囲からどうみられているのかということに常に意識がいっており、それを操作することに長けている。意識される側としての自我のため、最大限の成果…

鴻上尚史 空気と世間

「空気」と「世間」 (講談社現代新書) 鴻上尚史 講談社 2009-07-17 西洋における神が秩序を保つための抑止力であり、また弱い個人にとっての支えであるのと同じように、日本における世間も規範を守らない人間を監視する抑止力であり、また相互扶助的な互酬関…

河合隼雄×茂木健一郎 こころと脳の対話

こころと脳の対話 (新潮文庫) 河合 隼雄,茂木 健一郎 新潮社 2011-06-26 ・話の内容と、こっちの疲れの度合いの乖離がひどい場合は、相手の症状は深い。そういう人はかわいそうに、やっぱり人に嫌われるんです。そういう人と会ってると、みんなしんどくなる…

河合隼雄×吉本ばなな なるほどの対話

なるほどの対話 (新潮文庫) 河合 隼雄,吉本 ばなな 新潮社 2005-08-28 ・自分でああしよう、こうしようと思ったら絶対ダメ。来たものになんとなく答えていく、「時が経っていった」という感じの方がうまくいく。先に考えるのではなくて、それに身を任すこと…

河合隼雄 母性社会日本の病理

母性社会日本の病理 (講談社プラスアルファ文庫) 河合 隼雄 講談社 1997-09-19 日本社会では能力差は存在しない、少なくとも能力差のことについて言及することはタブーとされている。誰でも頑張ったら一番になれる。そのような前提のもとである評価基準で序…