岡田尊司『発達障害と呼ばないで』

  

 定型発達の子供は、常に多数派に属することができるし、社会は多数派の人の在り方を基準に作られているので何かと有利で、生きるのも楽である。しかし、非定型発達の子どもは不利を抱えながら、その不利をどうにか乗り越えようとする中で、想像を超えた能力を育むのである。

 それを見つけ出して活かし、自信をもって生きられるか、それとも不利な点ばかりにとらわれて、自己否定に陥ってしまうかが運命の分かれ目に思える。発達障害という言い方を用いた時点で、すでに不利な点にとらわれるワナにはまるのを手助けしてしまっているような気がする。p.174

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